派遣社員の労務管理の必須知識を詳しく解説!システムによる効率化も重要

2024年5月15日

「派遣社員の労務管理を、どこが担当するべきかよく分からない」という声があります。

労務管理はそうでなくても複雑です。そのうえ、派遣社員は企業が直接社員を雇用する「直接雇用」とは違い、派遣元企業が雇用し、派遣先企業で働く「間接雇用」という働き方をしています。

派遣社員の労務管理には派遣元企業と派遣先企業双方が関与するため、より分かりにくくなってしまう傾向にあります。

 

適切な労務管理を行うためには、まずは「派遣社員」という働き方の仕組みを正しく理解することが重要です。

本記事では、派遣社員の働き方と、その労務管理について詳しく解説します。

 

派遣社員とは?

まずは「派遣」というシステムについて、理解しておきましょう。

 

派遣社員は、雇用契約を派遣元企業と結び、そこから派遣先企業に派遣されて仕事をします。

つまり、雇用契約を締結した会社とは別の会社で働く労働者のことです。

こうした働き方を「間接雇用」といいます。

 

派遣社員と派遣先企業の間に雇用関係はありません。

派遣先企業で仕事をするのに、派遣先企業と雇用関係がないというのは不思議な気がするかもしれませんが、派遣先企業と派遣社員の間に業務内容や勤務条件といった契約はないのです。

こうした契約は、派遣元企業と派遣社員の間で交わされています。

 

これに対して正社員や契約社員、アルバイト、パートのように会社から直接的に雇用されて働くことを「直接雇用」といいます。

直接雇用の場合、労務は雇用している企業が直接行うため、シンプルで分かりやすい雇用形態といえるでしょう。

 

派遣社員の労務管理は誰の役割?

派遣社員の労務管理は、派遣元企業と派遣先企業のどちらが行うのでしょうか。

結論から述べると、派遣元企業、派遣先企業両方がそれぞれ管理を行います。

 

勤怠管理や時間外労働、休日労働などの管理、安全衛生教育や特殊健康診断などは派遣先企業が管理し、労働契約や給与計算、賃金の支払い、災害補償や一般健康診断、有給休暇や産前産後休業の管理は、派遣元企業が実施します。

通常の健康診断に関しては派遣元企業が行いますが、特殊健康診断は派遣先企業が行うので、この点は注意が必要です。

特殊健康診断とは、労働安全衛生法において有害であると定められた業務を行った場合に実施される健康診断です。

なぜこのような分担になるかというと、労働基準法や労働安全衛生法といった労働法に基づき、区分けされていることに起因します。

 

派遣元の役割:賃金など

派遣元企業は、派遣社員に対する給与の支払いなどを行います。

給与の支払いには、時給や振込先の口座管理など、給与の支払いにまつわるさまざまな管理も含まれており、もし派遣社員が派遣先企業に対して、振込先口座の変更希望や時給交渉を行ったとしても、派遣先企業にはそれらを変更する権限はありません。

そのほかにも「産前産後休業」「災害補償」「健康診断」などを管理するのも、派遣元企業です。

 

派遣先の役割:労働時間など

労働時間の管理は、派遣先企業の管理となります。

労働時間や時間外労働、休日労働といった勤務時間関連の責任の所在は、派遣先企業にあります。日々の労働時間管理にプラスして遅刻や早退が発生した場合、その管理や調整を行うのも派遣先企業です。

休日出勤の依頼や管理、調整、時間外労働に関する管理責任も派遣先企業が負う必要があります。

イレギュラーが発生した場合、派遣先企業はあらかじめ派遣元企業に確認を取る必要がありますので、この点も理解しておきましょう。

 

派遣社員の労務管理におけるポイント

派遣社員の労務管理は、労働基準法や労働安全衛生法、労働者派遣法を遵守のうえで行うことが求められています。

具体的にどのような点に注意が必要なのでしょうか。

 

派遣社員は派遣元企業と雇用関係にある

派遣社員は、派遣元企業に雇用され、派遣先企業で仕事をしています。

雇用関係は、派遣元企業と締結しているということを理解しておきましょう。

 

派遣先企業は派遣社員を直接雇用の正社員やパート、アルバイトと同等に扱うことはできません。

例えば、派遣元企業と派遣先企業との間で交わされている契約書である「労働者派遣契約書」に記載されていない業務の依頼や、出張や残業、接待の依頼は不可となります。

また、所属部署以外の業務を依頼することも不可となり、部署を移動させることもできません。

 

派遣先企業は派遣社員への指揮命令権を持つ

労働者派遣法により派遣社員を受け入れる派遣先企業は、指揮命令者を設置することが定められており、指揮命令者は派遣社員に業務指示を行います。

派遣先企業と派遣社員の間では、雇用契約を締結しない代わりに「労働者派遣契約」を締結することで、派遣先企業は派遣社員に対する指揮命令権を持つことができるようになります。

指揮命令権とは、業務を行ううえで指示を行う権限です。

派遣社員の業務内容は先述の労働者派遣契約書をもって契約しているため、派遣先企業はその範囲内で業務上の指示を行う必要があります。

 

状況によっては派遣スタッフを指揮命令者にしたいと感じる場面も考えられますが、指揮命令者は派遣先企業が直接雇用する人であることが必須です。

派遣先企業以外のメンバーが指揮命令者となってしまうと「二重派遣」に相当する可能性もあり、法律に抵触します。

二重派遣とは、派遣された社員を、派遣先企業が別の企業に労働力として提供することです。

職業安定法と労働基準法で禁じられている行為となり、罰則が科せられますので注意しましょう。

 

契約変更の場合は三者間で協議

派遣先企業が独断で契約内容の変更を行うことはできません。

契約変更をする際は、必ず派遣先企業と派遣元企業、派遣社員の三者間で協議し、同意を得ることが必須と定められています。

派遣先企業は、労働者派遣契約にはない業務に関しては、派遣社員に課してはいけないこととなっているのです。

もし、依頼したい業務に変更があった場合は、必ず事前にこの三者間協議が必要となります。

気軽に依頼したことが違法となり、大きな問題となるケースもありますから、十分な注意が必要です。

 

派遣契約の締結、受け入れ、終了について理解する

労働者派遣法において、企業が正社員や契約社員、アルバイトとして直接雇用していた労働者を、離職して1年以内に派遣社員として受け入れることは禁止しています。

理由としては、企業が直接雇用するべき労働者を派遣労働者にすることで、実質的な賃金カットをすることを回避するために定められています。

 

派遣社員の労務管理には「派遣管理システム」の活用がおすすめ

複雑化しやすい派遣社員の労務管理を簡潔に行うためには、派遣管理システムの導入がおすすめです。

派遣管理システムには、以下の3つの種類があります。

 

効率・連携重視タイプ

派遣社員の管理に必要不可欠な給与管理システムや勤怠管理システムと連携しやすいのが、効率・連携重視タイプです。

派遣先企業との連携が容易で、発注申請や勤怠管理といった派遣先企業・派遣元企業でのやり取りが、システムを連携することで効率化可能となります。

派遣先企業にとっても、派遣元企業にとってもメリットの大きいシステムで、業務効率化が実現できます。

 

営業活動重視タイプ

営業活動重視タイプは、派遣の案件受注から成約までの流れが可視化できるシステムです。

派遣元企業の営業活動に大きく貢献でき、営業力強化が期待できます。

管理が難しい派遣先企業との契約内容や案件の管理・検索機能が充実しているのが特徴です。

 

マッチング重視タイプ

スタッフ情報を一元管理し、各々の状況をリアルタイムで把握できるのがマッチング重視タイプです。

派遣先企業と派遣社員の間にミスマッチが生じると、お互いのためにマイナスに影響します。

マッチング精度を向上させることで、派遣先企業、派遣スタッフ、派遣元企業それぞれにとってプラスに作用することが期待できます。

 

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株式会社エスアイ・システムが展開するSTAFF EXPRESSではスモールプラン、ライトプラン、オールインワンプランを提供しています。

オールインワンプランでは「採用管理」「人材管理」「給与管理」機能を搭載しており、以下の機能が利用可能です。

  • 応募管理
  • 人材管理
  • 案件管理
  • 契約管理
  • 勤怠管理
  • 給与管理
  • 請求管理
  • 実績管理

月額使用料は35,000円、買い切りの場合は600,000円となっています。

派遣社員の管理がリアルタイムで行える勤怠管理機能では、派遣先企業の勤怠管理もWebで行うことが可能で、SNSなどを活用したコミュニケーションで派遣スタッフとのやり取りを円滑化しています。

さまざまな管理機能を網羅しているため、これひとつで派遣社員の労務管理を完結させることが可能です。

リリース以降、機能の追加や品質向上を継続的に実施しているのも特徴で、法改正に伴う対応も順次行っているため、法令を遵守した業務遂行が実現できます。

 

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複雑な派遣労務をシンプルに!派遣社員特化型労務管理システムを導入しよう

派遣社員の労務管理には、派遣社員特化型の労務管理システム導入がおすすめです。

派遣社員の状況を正しく理解し対応することが難しいと感じている場合は特におすすめで、現在抱えている課題を洗い出すヒントにもなります。

人材派遣業は特有の複雑な業務を有していますが、マッチング精度向上や業務効率化も含め、人事戦略を洗練させるためにも派遣管理システムは大変有効な助けとなります。

システムで一元化することで業務効率化が期待できるため、ぜひ導入を検討してみてください。